【徹底解説】生体溶解性繊維とは?

断熱材の基礎知識


生体溶解性繊維とは?

生体溶解性繊維とは何か?」「従来のセラミックファイバーと何が違うのか?」
これは、従来の耐火・断熱素材と比較して人体への影響が少ないことが大きな特徴です。
特に、セラミックファイバー(RCF)や石綿(アスベスト)の代替として、工業・建築・輸送分野で急速に導入が進んでいます。

生体溶解性繊維(BSF)とは?

「生体溶解性繊維」とは、吸引などで体内に取り込まれた際にも、マクロファージなどの作用によって分解・排出されやすい繊維素材のことです。
BSF(Bio-Soluble Fiber)と略されることもあり、欧州を中心に安全な断熱素材として認知されています。

AES(アルカリアースシリケートウール)とは?

生体溶解性繊維の中でも特に代表的なのが「AES(アルカリアースシリケートウール)」です。
主成分はシリカ(SiO₂)・マグネシア(MgO)・カルシア(CaO)で、以下のような特徴があります:

【AESの主な特性】

  • 最大1100℃までの耐熱性
  • 熱衝撃に強く、安定性が高い
  • 軽量で加工性が高い
  • 蓄熱量が低く、省エネに貢献

これらの特性により、エネルギー効率の改善や作業環境の安全性向上に役立ちます。

【比較表】石綿・RCF・AESの違いとは?

材料名正式名称主成分安全性
石綿(アスベスト)天然鉱石アモサイト・クロシドライトなど発がん性あり(多くの健康被害報告)
RCFリフラクトリーセラミックファイバーシリカ・アルミナIARCによりグループ2B(発がん性の可能性)
AESアルカリアースシリケートウールシリカ・マグネシア・カルシアEU規制により発がん性分類対象外(NotaQ該当)

AESは最も安全性が高いとされ、ヨーロッパなどの厳しい規制下でも使用が許可されています。

AESの主な用途

AESは常温から1000℃の高温環境まで幅広く対応可能で、さまざまな断熱・耐火ニーズに対応します。

【代表的な使用例】

  • 船舶の耐火被覆材
  • 熱処理炉の内張材(ライニング)
  • 自動車のブレーキ摩擦材
  • 調理器具や暖房機器の断熱材
  • 高温ガスダクトや炉前カーテン
  • ケーブルの被覆材や溶解炉の蓋

また、省エネ性能の高さから、高熱部のエネルギー効率化素材としても注目されています。

断熱材を使うメリットとは?

断熱材は単に「熱を遮る」だけでなく、多くの経済的・環境的メリットがあります。

【断熱材の主な利点】

  • エネルギーコストの削減
  • 生産効率の向上
  • 作業環境の快適化
  • 製品精度・安定性の向上

このように、安全性と性能を両立する生体溶解性繊維(AES)は非常に優れた選択肢と言えます。

まとめ|生体溶解性繊維とは、安全性と環境性能を両立した素材

今後、産業界ではますます「安全性」「省エネ」「環境対応」が求められます。
高温環境での作業や製品づくりに関わる方は、ぜひこの素材に注目してみてください。

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